土佐鶴酒造・蔵元紹介
室戸岬を遠くに望む県東部の安田町に、全国にもその名が知られ県内最大規模を誇る銘酒「土佐鶴」の醸造の地はあります。
土佐鶴の創業は古く江戸時代にさかのぼり、戦国時代土佐ノ國・安田郷家老であった廣松家は海運業を営みながら、安永2年(1773年)には自田で作った米で酒造りを始めました。
その後代を重ねて酒造りに自信を深めた弘化2年(1845年)酒造専業へと踏み切り、名醸への軌跡をスタートしました。
『品質第一・誇れる品質の酒を造れ』との社是通り、品質追求の一環として出品する全国新酒鑑評会では金賞全国最多受賞を誇るなど、妥協を許さない美酒造りは今も脈々と受け継がれています。
名前の由来は今を去る千有余年の昔、土佐国司の任を終えた紀貫之が帰洛の途上蒼海と松原に舞う鶴の一群を眺め詠んだ一篇の歌 『見渡れば 松のうれごと 棲む鶴は 千代のどちとぞ おもふべらなる』 の吉兆鶴にちなんでいると言われています。
「土佐鶴は、こんなお酒」
酒造蔵のすぐ側を流れる清流安田川は、日本三大美林の一つ魚梁瀬に源を発しており、豊かな森林と豊富な雨量が酒造りの生命といえる良質な水を育んでいます。
又、酒造井戸から汲み上げる仕込水は最も美味しいと言われる軽度の軟水で、ミネラルがバランス良く含まれており酵母に健全で強い発酵を促す優れた水です。
更に原料米には淡麗なお酒を醸す高知県産米から、吟醸造りに適する兵庫山田錦まで目的に応じて使用し自社精米工場で厳選精米しています。
吟醸酒では酒税法に定められた表示基準より更に厳しい精米歩合を採用し、大吟醸では極限と言われる精米歩合30%まで磨いています。
酒質を特徴づける酵母も協会酵母だけでなく独自に育種した酵母など豊富で、米や目的の酒質に応じた最適の酵母を選択して醸される土佐鶴の酒は、「淡麗にして旨い辛口」という表現がピッタリです。